害獣からすれば、『一つの家』
依頼内容
お隣の家の、1階屋根裏に、何かは分からないが、侵入して歩いている。ネズミではなく、ある程度の重量のある生き物だとの事。鳴き声はしていないが、たまに暴れる時もある。
お隣から、どうやら自分の建屋から侵入出来る『穴』があるとの指摘を受けたので、調査をして欲しいと持ち主から依頼がありました。
依頼主の建屋は、現在『空き家』。
現場調査
事前情報として、5棟の『長屋』であるとの事。
重量のある生き物であれば、それなりの侵入出来る『穴』があるはずなので、それを探索しました。すると、やはり通気口で、穴を発見。


下の『換気扇』は、閉じられていました。

決定的な証拠
被害を受けているご主人が、この侵入口から、『ネコ』が入る瞬間を、スマホで録画したとのこと。
屋根裏の確認
ここでお伝えしたいのが、築年数のある『長屋』の場合、屋根裏は・・全部繋がっている物件が、多いです。

屋根裏は、5棟全てが繋がっている状態でした。
『侵入者』は、屋根裏を、自由に跋扈(ばっこ)出来ます。
同定

侵入している映像や、侵入口周辺に付着している『足跡』を見る限り、侵入しているのは『ネコ』だと判断しました。
対策
ここ数日は、侵入の痕跡が無いようでした。
侵入口を、柔らかい金網で、一部下部のみを、ガンタッカーで止めただけの仮止め(すぐに、外れる程度)をして、中から容易に外に出れる状態にします。
外からは、侵入出来ないが、中からは出れる。仮に、中から出たら、金網が『変形』していたり、吹き飛ばされているはずです。(仮封鎖の時点で、屋根裏にいた場合)
しばらく網の状態を観察して、完全封鎖をする段取りです。
ネコは、賢いので、怖い目にあった場所には、経験上近付かないはずです。
イタチの捕獲カゴに、たまに『ネコ』が掛かる時があります。すぐに開放をしますが、『ネコ』は、二度と、そのエサを食べに来ることはありません。
別の『長屋』・・屋根裏
別の依頼で、『ネズミ』の被害があった『長屋』の話ですが、築20年との事でした。
屋根裏は、各棟で仕切られていました。
ネズミ被害(食べ物の食害)のあった建屋を調査しましたが、侵入出来る『穴』は、ありません。翌日、床下収納庫下に仕掛けた『粘着シート』に、クマネズミの捕獲がありました。
やはり、どこかに穴があるはずと思い、再度『屋根裏』調査すると、仕切られた『石膏ボード』に隙間を発見しました。


このように、壁で仕切られていても、この程度の隙間であれば、ネズミは侵入出来ます。各建屋がこのような隙間を埋めていない施工であれば、壁で仕切られていても、屋根裏は、全て繋がっているのと同じです。
壁の隙間から、床下まで行く事も可能です。
『長屋』の、どの建屋か分かりませんが、侵入口があるはずです。
この案件では、封鎖施工を致しました。
『長屋』
こういったケースでは、責任問題が非常に難しいです。
長屋の全てを点検することも出来ませんし、仮に、原因を発見したとして、ご近所付合いもあるので、伝え方を上手く進めないといけないなどの、めんどくさいやり取りが発生します。
ネズミではありませんが、長屋での『コウモリの糞害』問題で、駐車場に『糞』が落ちてくるから何とかしてくれと、隣からクレームを言われたというケースがありました。建物のデザインで、駐車場のすぐ横の上に、隣の屋根が掛かっているわけです。
そこの瓦の隙間に、コウモリが営巣しているため、糞害が発生しているケース。
5棟の長屋で、今は被害は1件のみですが、封鎖施工しても、おそらくコウモリは場所を変えるだけです。順番に、糞害が連鎖して行くと思います。
それぞれが、施行費用をお隣の為に、出費するような事になります。
5軒で一番得なのは、端に住んでる方ですね。隣が無いので、出費はありません。
相談を持ち掛けられた時は、冬眠に入った時期でしたので、今年、施工をする予定になっていますが、揉めない事を祈りたいです。

